A FAVOR
ひとりぼっちの午後も
冷たい雨の夜も
そして今も
ぼんやりと窓の外
いるはずのない人をさがしてる
時が刻まれてゆく・・・・・
まわりは一秒一秒すすんでゆくのに
心だけは一秒一秒
なつかしい過去に戻ってゆく
前へすすみたくなくて
戻りたいと願う私
悲しいとか
淋しいとか
そんなんじゃない
こどばで言えない
願うのはただひとつ
”戻りたい あの頃に――”
こんな私を”弱虫”と
あなたはそう言うでしょうか。 |
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SKY
空がすごく高くなってる
手をのばしても
届かないくらい高くなってる
真夏のあの日
綿菓子みたいな白い雲
ひょいっと手をのばせば
つかめるくらいだったのに
このまま吸い込まれそうな
うす青い空のむこう
どこまでもどこまでもうす青い色
そうしてきっとあの街と
あなたの住むあの街と
つながっているのよね
見上げれば うす青い空のむこう
あなたの笑顔が見える気がして
あなたの姿が見える気がして――
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Beginning
冬の朝
空気がぴんとはりつめて
寒いけど
すがすがしいの
夏の朝とは違った
澄んだ景色
白い息はずませて
バス・ストップへ
バスの窓ガラス
白くくもって外が見えない
だけど
遠慮がちにさしこむ光は
なんとなく あたたかくて
ステキ・・・・・
いつの季節も
朝はやっぱり透明で
新しいページのよう
だから私はこう書くの
――GOOD MORNING
新しい わたし―― |
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